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Posted by 藤宮楓 - 2010.04.03,Sat
■プシュケの涙雑感(ネタバレ注意)




→とりあえず思ったこと
吉野おおおおお!なんで死んじゃったの…
由良と吉野は、結ばれなきゃいけないと思う、ほんとに。
結ばれるべき、なのに。
話の構成に、完敗な感じ。
あああ…すごく閉塞的な絶望!
そういう話がすごく好きなんだけどね。

→あらすじ
暑苦しい補習中に窓の外を落ちる女生徒の身体。
自殺した吉野彼方を目撃した榎戸川はある日を境に美人な(それでいて変人な)由良という男子生徒に付きまとわれる。変人で軽口を叩く一面とは裏腹に美術の腕はものすごいものだった。
しだいに榎戸川は彼が自分に近づいた理由を知り、追い詰めるが、彼は吉野のように飛び降りてしまう。

→前半雑感(由良高3)
◎一般的な主人公、榎戸川。
幼なじみの織恵、友達の旭。
どこから彼の人生が狂い始めたのか。
受験生である彼の精神状況とかかわいそうだなぁって思う。
友達の彼女が、幼なじみだったこと。
さらに目の前で、自分の行動一つで人が死んでしまったこと。
一番人間地味ててリアリティのある人物。

◎吉野彼方の死。
とてもくだらなく、だけど運命はいとも簡単に吉野を事故死させた。誰のせいでもない。
織恵が問題用紙を盗もうといったからでも、旭が彼女のために問題を盗み、狭い教室で吉野を追い詰めたからでも、榎戸川が暑いから窓を開けたからでも、ない。
ただ偶然が偶然を呼んで結果的に吉野が落ちただけ。
その死の軽さがとても怖い。

◎じゃあ
だれが一番不幸なのかと問えば、難しいはなし。
榎戸川も吉野も由良もみんな不幸。
誰も悪くないけど、みんな不幸。
現代の学生が持つ心の小さな闇を反映した良い話だなぁ、なんて。

→後半(由良、吉野高2)
◎不憫な吉野の一人称
絵に描いたようなダメ親父と憔悴しきった母を持つ不幸な少女。
バイトで稼ぎつつも、ダメ親父に金を不条理にもぎ取られ、そんな父に会いたくないためにネカフェで寝たりしている。元々明るい方ではない彼女は文化祭の準備に参加せずクラスからも浮いた存在に。
髪の毛がほしいとしきりに近付く由良に不思議と嫌悪感を抱かず、(しかし変人なのであくまで距離をとり)すこしずつ惹かれていく。しかし美人の彼に近づくことはクラスでもよく思われてない彼女をさらに追い詰める結果になる。
不憫すぎて、読むのが辛かった。
明るい由良に会うことですこしずつ変わる(悪い方向にも)吉野がかわいそうで。

◎文化祭前々日・前日・当日
伏線だとかが一気に解け、綺麗に物事が進む。
吉野を包む悪が一気に解き放たれるというか。
ラストまでの疾走感がまた心地よくて。

→他
挿し絵は2枚。前半と後半の間と、一番最後。
同じような絵なのに、吉野がいない。
それだけで寂しさとか切なさが込み上げてくる。
すごいなぁ、って思う。ほんとに。
由良彼方と吉野彼方。
どちらもY.KANATA。
由良はずっと絵を描くけれど、それは吉野のためなのかな。

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プロフィール
HN:
藤宮楓
性別:
女性
自己紹介:
藤宮 楓(ふじみや かえで)
中身おっさんな生物学上・女。
腐という形容詞がつく。
5月28日に関西に生まれる。
関西のどこかで学生やってます。
イラスト描いたり、アニメ見たり、演劇観るのが好き。
愛する弟がいる。

声優絶対音感保持。
でもなんか錆びてきてる。
下野紘さん溺愛中。

腐とか言ってますけど、×より+派です。
ほのぼの好き。
裏ブログ。詩とかSSとか。魅鷹です。      メール: promise_hope_3730528☆yahoo.co.jp ☆を@に変えてください。         
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